姪が大学院の健康マネジメント研究科で教授をつとめており、
先ごろNHKラジオ深夜便の1コーナー「認知症カフェ」に出演しました。
彼女は、認知症の方を支援する様々な研究に携わっていて、
その1つとして、認知症 の方100人にインタビューをしたそうです。
インタビューした認知症の方の属性、略歴、認知症になってからの経緯、人生・生活の喜び、
今後やってみたいことなどが項目ごとにデータベース化されていて、
知りたい情報が取り出しやいサイト※になっています。
この企画を提案したとき、「そんなインタビューが何の役に立つのか?」
と周囲の反応は芳しくなかったそうです。100人という数字に何の根拠もないけれど、
何か手がかりになればと、とにかくやってみようと思ったといいます。
ラジオ番組の中で、ひとつ印象に残ったことがあります。
インタビューは、私の姪、看護師、薬剤師など、認知症について研究し、
専門知識を持つ人たちが行いました。
ところが、インタビューされた認知症の方々に、
「専門家が聞いてくることは、私たちのことを全然わかっていない!」
とおっしゃる方が少なくなかったというのです。
これには、はっとさせられました。
研究者は長く現場にいないから、認知症の方の気持ちがわからないのでは?
という評価は当たらないと思います。
というのも、現場の介護者がよく理解しているかというと、そうとは限りません。
そもそも人を簡単に理解することはできません。
ただ、研究者や介護者がわかった気になって自分目線でやってしまうことが、
認知症の方には心地よくないのでしょう。
お互い人間ですから、相性の良し悪しもあるし、その日の体調や気分にも影響されます。
マニュアル通りにはいきません。
でも、それを難しいと思わずに、ひとりの人として、
自分なりの思いを込めて入居者様に向き合っていくことが大切だと思います。
※ご興味をお持ちの方は、インタビューのサイトをのぞいてみてください。
URLは、「認知症当事者ナレッジライブラリー」で検索できます。