5月17日、第100回運営推進会議を開催しました。
本日は、「認知症はどのように進行していくの?」というテーマでお話ししました。
初期症状として、「同じことを繰り返し言う」「さっき食べたことを覚えていない」
がありますが、これらは、周囲の理解があれば、普段の生活にほとんど支障がありません。
「目の前にいる人が、家族なのかはっきりわかっていない」ということは、
程度の差はありますが、思ったより多くの方に見られます。
でも、家族かどうかわからない様子でも、ふつうに楽しく話されています。
「息子さんを弟だ・孫だ」、娘さんが2人おられますが「息子が2人おる」とおっしゃる方もいます。
家族様にとってはショックなのですが、ご本人は平然とおっしゃいます。
よくある「盗られ妄想」は、「ブラウスがない」「タンスがない」
「シルバーカーがなくなった」「あの人が〇〇を盗った」と訴えられます。
ですが、盗られ妄想とは、もともとない物を盗られた訴えなので、やっかいです。
重度の場合は暴言を吐いたり、攻撃的になり、対応が非常に難しくなります。
食事では、「手づかみで食べる」「一気に多量に口に入れる」
「皿に盛られた異なるおかずをかき混ぜる」「食べる行為がわからなくなる」などがあります。
排泄では、「汚染した下着を隠す」「ペーパーを大量に部屋に持ち込み、隠す」
「パッドや紙パンツをトイレに流す」「トイレの使い方がわからなくなる」
「トイレ以外の場所で排尿・排便する」「排泄物を口に入れる」などがあります。
認知症が非常に進行すると、好きだったことへの関心が薄れ、表情が乏しくなっていきます。
どんなにやさしくていねいに声かけをしても、話が通じず、逆ギレされることもあります。
四六時中、泣きそうな声で独り言を言ったり、大声で叫んだりする方もいます。
落ち着きなく歩き回ったり、うつ・不安、怒りっぽく、拒否が多くなるなど、
心が平静ではいられなくなり、苦しい精神状況にある時間が長くなります。
家族様の参加者は、母が思っていたよりも認知症が進まずに元気でいられるのは、
認知症が軽いうちにサザンツリーに入居したからではないかと思っているとおっしゃいました。
軽いうちは「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と先延ばしにしてしまう家族様が多い傾向があるようでした。
認知症の方の老化速度は、そうでない人の2~3倍とも言われていますから、
支える家族の理解と覚悟が必要です。
「母が自分をわからない」ことはショックですが、
「今、お母さんとおしゃべりしていること、笑顔でいてくれること」
を大切にして接してほしいと思っています。