ご承知の通り、今年4月、および6月に介護報酬が改定されます。
基本報酬30日あたりのご負担額はごく微増にとどまっています。
介護サービスの種類によって異なりますが、全体では1.59%の引き上げで、
改定分のうち6割を占める0.98%が介護職員の処遇改善分となっています。
昨年ごろから大幅な賃上げのニュースが聞かれるようになり、
今年の春闘での賃上げは5.28%に達しました。
大企業と比較しても仕方ないのですが、介護職員の処遇は少しずつ改善されているものの、
これでまた格差が広がってしまうのかという気持ちもあります。
「科学的介護推進体制加算」については、これまで6カ月ごとの情報提出であったものが、
3カ月ごとの提出が求められるようになりました。
内容についても、より詳細な報告が必要になります。
また、4月1日から事業継続計画(BCP)の策定が義務化されたことに伴い、
年2回以上の研修や訓練を実施する必要があります。
BCPには、「災害編」と「感染症編」があり、有事にどのように事業を継続していくかを、
運営側にとどまらず、従業員にも周知徹底していくものです。
現在、「身体拘束ゼロ推進委員会」「高齢者虐待の防止委員会」の研修も義務付けられていて、
これらが未実施の場合は減算されていしまいます。
避難訓練も年2回ありますので、研修や訓練のタイミングがすぐに巡ってきます。
今回の介護報酬改定では、事業所が実施しなければならない項目がぐっと増えた印象です。
新しい「○○体制加算」が作られて、加算を取って介護報酬を上げるシステムになっています。
加算を多く取ると、入居者様のご負担は増えますが、サービス内容はよくなるということになります。
ですが、加算を取ることが目的化しがちで、
実際にどこまで入居者様の利益になっているのだろうと思うことはあります。
加算を取ったのに、大してよくなっていない、とならないよう、
入居者様のサービス向上につなげなくてはなりません。
現場では、これまで通りの温かみのある雰囲気づくりにつとめ、
入居者様の毎日をご支援してまいります。
代表取締役/管理者 鍬田 さと子