グループホームでの看取り ~イメージと現実

3月19日(水)、第105回運営推進会議を開催しました。
今日のテーマは、「グループホームでの看取り」についてです。

施設で「看取り」をしてくれるのはいいこと、というイメージがありますか?
サザンツリーでは看取り加算を申請していませんが、看取りの経験はあります。

要介護4・5で車いす移動・寝たきりに近い状態になって特養へ移ることなく、
要介護1のまま92歳で自立歩行の方などは、老衰で、最期に近い時期までサザンで暮らされています。

グループホームの大切な目的は「認知症になっても、入居者様が必要とする支援を行い、
可能な限り自立した、ふつうの日常生活を営んでいただく」ことにあります。

要介護1・2のお元気な方々と、最期の近い方々がともに暮らすことについては、
「私もあんな風になってしまうのか?」と不安になるまだまだお元気な方と、
「元気な人と一緒はつらい」と、思うように動けない方もいます。

出席いただいたうちのおひとりが、訪問看護ステーションと契約して、医療連携体制加算を取れば、
週2回看護師が出入りして、入居者様の状態を把握してもらえると提案してくださいました。
利用者の負担する費用は多少高くなるけれども、終末期医療ができる医師との連携もしてくれるし、
月に1回の訪問医療よりよい面もあるとのご意見でした。

サザンツリーが過去にご提案のような体制を整えようとしたときは、
対応してくれる訪問看護ステーションがありませんでしたので、
現在では、加算を取って体制を整えるまでは、容易になっています。

看護付き小規模多機能で勤務経験のある、包括から出席いただいた方は、
常時利用者を観察できないので、看護の連続性が失われるもどかしさを感じていたと教えてくれました。

一方で、いちばん大変なのは、慣れない医療的場面に日々立ちあう介護スタッフです。
「看取り介護加算」でもらえる介護報酬は、スタッフの負担が大きいわりに少ないです。
スタッフが健康で、元気でいてこその介護なので、あまり負担をかけたくないのも本音です。
利用者様のご期待にできる限り添いたいと思っていますが、
安定的にサービスの提供を継続させることもまた大切です。

理想と現実の狭間で、立場の違いを越えて、看取りのあり方に正解を出すことがとても難しいと感じます。

サザンツリーでは、「今ここで生きる」の理念に基づき、「生活を支援すること」
に注力したいと考えています。

※個別に「夜間休日に対応・看取り対応ができる訪問医療」の契約ができる支援は検討中です。

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