5月15日(水)、第106回運営推進会議を開催しました。
本日のテーマ1つめは「グループホームに見守り(監視)カメラは必要ですか?」でした。
高齢者施設・障害者施設・医療機関内で、虐待、ハラスメント、死傷事件などが発生しており、
カメラを設置する施設は増えていると思われます。
メリット
何が起きたか確認でき、入居者様、家族様、スタッフの安心・安全につながる。
デメリット
入居者様のプライバシーの侵害や、スタッフの萎縮につながらないか懸念される。
課題
カメラを設置したとしても、虐待や転倒がなくなるわけではない。
設置には、リビングなら入居者様全員、居室なら個別に同意を得る必要があると考えられます。
虐待の抑止や、転倒・虐待発生後の確認のために、施設内にカメラを設置することについてどう思うか、
意見をうかがいました。
だれも見ていないときに居室で転倒した場合では、どのように転倒したかを映像で確認できてよいと思う。
カメラがあったとしても、転倒は一瞬のことなので、防止に役立つことはないと思う。
いつもカメラに見られている生活は、入居者様もスタッフさんのプライバシーにかかわることでよくない。
大きい施設では、見守りが行き届かずカメラが必要かもしれないが、だれかがカメラを24時間見ていないといけないということ?
グループホームは、拘束がないので転倒リスクがあり心配ではあるが、その分自由があるし行動の自由がある方がいいことだとは思う(家族様のご意見)。
などの意見が出されました。
これから世の中の動向がどうなっていくかはわかりませんが、カメラに囲まれて生活するより、
自由にのびのび生活できた方がいいという論調の方が多かったです。
テーマの2つめは、「危険の防止と虐待の防止、どちらを優先すべきですか?」です。
リビングで、入居者様が、興奮して椅子を倒すなどの危険なふるまいをしています。
ご自身、他入居者様がケガをする危険があるため、スタッフが何度か声をかけて制止しますが、
やめてもらえません。周囲の入居者様も不快になられています。
あなたは、スタッフにどう対応してほしいですか?
1か2のどちらを優先するか考えていただきました。
1)入居者様に寄り添って、根気よく制止を続けるべきだと思う。
デメリット:入居者様全員を、長い時間、不穏・危険な環境にさらしてしまう。
2)やむを得ないので、多少強引でも体を抱きかかえて居室へ移動してもらった方がいいと思う。
デメリット:強引な対応は、入居者様の心にトラウマが残り、
スタッフがやむを得ず腕を掴んだ際にアザを作るなど、
虐待と見なされる行為につながることがある。
このような認知症の方の周辺症状の対応は難しく、どんなに経験のある人でも、
その方を長く知っていて性格や傾向を把握している場合でも、
いつも簡単にその場をしのぐことができるわけではありません。
出席された方全員が2番を選ばざるを得ないのではないかというご意見でした。
高齢者虐待はあってはならないことですが、危険防止をおろそかにはできません。
また、一人を守るために、その他多数の方に苦痛を強いることは妥当ではなく、
だれもが納得できる決着方法が難しいと思います。
長文を最後までお読みいただきありがとうございました。
皆様は、どうお考えになられましたか?